Claud Live@新宿

新宿ダブリナーズのクラウドのライヴに来て下さった皆様、ありがとうございました。

この話、実は2,3日前に突然頼まれての出動でした。

フィドル&アコーディオンのJimさんも、ギター&マンドリンの坂本健さんもセッションでは顔なじみでよく一緒に演奏してますし、JimさんはPaddy Fieldでもご一緒させて頂いてますが、この三人でという組み合わせは初めてでした。

勿論リハ無し、曲もその場で決定。

しかし、これが思いの外やりやすく、楽しめました。

理由は大きく分けて二つ。

 

一つは曲目のバランスの良さ。

自分はライヴのセットリストを組む時にいかにバランスよく、メリハリをつけて、お客さんを楽しませるかということにかなりの神経を使います。

同じような曲をだらだら続けて自己満足に浸るようなライヴだけは避けたいと思っているからです。

したがって、一つのセットの中でもキーの組み合わせ方からアレンジまで展開をしっかりイメージしてつくりますし、1ステージの中でもテンポや曲調など、同じものが続かないように配慮するわけです。

Jimさんと健さんはその辺りでとても馬が合うのです。

実はこのような部分は演奏している曲中にも現れてきます。

アイルランドの音楽は、基本的に短い曲を3~4回程度繰り返して次の曲につなげてメドレーにするという構成を取っていて、繰り返しの度に少しずつ即興的に変奏していくのが醍醐味となっています。

選曲の段階でメリハリを意識しているプレイヤーというのは、大抵は曲の中でもメリハリをつけるのがうまいのです。

そして、これは第二の理由にもつながってきます。 

 

二つ目の理由は、多分こちらの方が大きいと思いますが、二人ともコミュニケーションが取りやすいということです。

どのような音楽でもそうだとは思いますが、うまくいっている時というのは、お互いが主張し合いながらも尊重し合うという矛盾するようなことが起こります。

不思議なことに、相手に従属的に合わせてこられるよりも、ある程度主張しつつこちらを聴いてもらい、こちらもある程度主張しつつ相手を聴くという方が、がちっとかみ合って演奏しやすいのです。

これができてくると、相手の演奏の変化にこちらがいつ何時でも対応できる状態になるので、演奏がぶれなくなります。

そして、前述のように展開をつくるようなことになると、なお一層このことが活きてきます。

また、これがもう少し行くと、スペーシングという話までつながってきます。

要するに、いつもいつもイーブンで主張し続け合うのではなく、お互いに一瞬の間合いで場所を空け合って、その場でこの周はAさんが主役、次は私が主役、そしてその後Bさんという具合に、メインを交代していく訳です。

別に場所を空けて演奏をやめる訳ではありません。

演奏し続けるのですが、強弱で差を付けたり、変奏で旋律を離れたりして、メインを相手に任せるのです。

 このレベルになってくると、自分が何かをしかければ相手もすぐ反応してきますし、相手の仕掛けに自分が思わず反応して、違う変奏が現れたりと、非常にスリリングで面白い展開が起こってきます。

 

本日も何度となくそのようなやりとりがあったのですが、こういう時は長時間演奏していてもあまり疲れないのですね。

そして、不思議とお客さんが演奏を楽しそうに聴いて下さっている。

 


近、幸運なことに、普段から同じメンバーでの演奏を突き詰められるJizoの活動と並行して、今日のような、普段一緒に演奏しない方と単発でご一緒させて
頂く機会が結構な頻度であって、しかも、結構バラエティに富んでいるのですが、それが特に2~3人くらいの少数の場合は、結構うまくコミュニケーションが
取れて、自分自身が演奏を楽しめ、いい勉強をさせてもらうことが多いのです。

非常にありがたいなぁと思っているのですが、本日もそんな刺激的なライヴの一つでした。

 

あ、そうそう、幸運にも来月も誘って頂きました。

12/13(木)

20:00~

新宿ダブリナーズ

です。

またよろしくどうぞ。